新機能・新サービスが続々! Google Workspace の 2021 年を振り返る
公開 2021.12.23

G Suite から Google Workspace にリブランドして大きなインパクトを与えた 2020 年。
そしてこの一年も 「新しい生活様式」 に寄り添う形で、新機能のリリースや新サービスの登場などさまざまな出来事がありました。
この 1 年、 Google Workspace は実際にどのような進化を遂げたのか、記事とともに振り返ってみましょう。
2021 年も Google Workspace はアップデートが続々
パンデミックの発生により 「テレワーク 元年」 とも呼ばれた 2020 年。
そして終わりなきコロナ禍によりワークスタイルも 「新しい生活様式」 への最適化が求められた 2021 年。
Google Workspace はリモートでの業務でもチームのメンバー同士がシームレスな連携が取れるような新機能や、さまざまな働き方に最適化された新サービスなど様々なアップデートを行なってきました。
毎日何気なく業務で使用している Google Workspace はこの一年でどのような進化を見せたのか——。
この記事ではエブリディ Google Workspace 編集部が注目した 2021 年 Google Workspace のアップデートをまとめてみました。
【2月】 「G Suite for Education」 を 「Google Workspace for Education」 に改称

2月、Google は教育機関向けにするクラウドサービス 「G Suite for Education」 を 「Google Workspace for Education」 に改名することを発表しました。
リブランドによる大きな変化としてあげられるのがエディションの細分化です。
無料で提供でされていた 「G Suite for Education」 は 「Google Workspace for Education Fundamentals」 へ名称を変更。
従来の有料版 「G Suite Enterprise for Education」 は、最上位エディションである 「Google Workspace for Education Plus」 となりました。
加えて、リブランドによって双方の中間に、2つの新しいエディションが登場しました。
【Education Standard】
セキュリティ機能や管理機能、分析機能等が強化されており、学校のコミュニティを保護することを意識して開発されたエディション。
【Teaching and Learning Upgrade】
教職員向けのエディション。
エディションごとの違いはこちらの表をご参照ください。
エディション | 以前の名前 | 利用料 | 特徴 |
---|---|---|---|
Google Workspace for Education Fundamentals | G Suite for Education | 無料 | Google Meet、 Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイト、 Jamboard などの基本的な機能が利用できる。 |
Education Standard | (新エディション) | 有料(要お問い合わせ) | セキュリティ機能や管理機能、分析機能等が強化されており、学校のコミュニティを保護することを意識して開発されたエディション。 |
Teaching and Learning Upgrade | (新エディション) | 有料(要お問い合わせ) | 教職員向けの追加機能で、 Education Fundamentals または Education Standard の教職員用アカウントとひも付け可能。 ビデオ通信機能や学習管理機能が強化されている。たとえば Meet を利用したライブ配信や録画機能、オンラインでの出欠確認機能などが利用できる。 |
Google Workspace for Education Plus | G Suite Enterprise for Education | 有料(要お問い合わせ) | 高度なセキュリティ機能と管理機能が利用できる。 |
【3月】 Google、「Google Workspace Essentials」 に 「Chat」 「カレンダー」 「Jamboard」 を追加

3 月 Google は 「Google Workspace Essentials」 に 「Google Chat」、 「Google カレンダー」、 「Jamboard」 を追加したと発表しました。
「Google Workspace Essentials」 は会社や学校の小規模なチームが対象。
アップデートによって以下のツールがセットとなりました。
- Google Meetセキュアなビデオ会議
- Google Chatメッセージのやり取り(新規)
- Google ドライブクラウドストレージ。ユーザー 1 人あたり 100 GB。組織あたり最大2TBのクラウドストレージプール
- Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドコンテンツの作成
- Google カレンダースケジュール管理。 「Google Meet」 会議の調整も可能(新規)
- Jamboard「Google Meet」 のデジタルホワイトボードとして機能(新規)
- そのほかのツールアンケート作成 「フォーム」、 Web サイト作成 「サイト」、メモ機能 「Keep」 など
料金はアクティブユーザー 1 人あたり月額 8 米ドル。 1 ヶ月は無償の試用版も利用できます。
【4月】 Google Workspace の新プラン 「Google Workspace Frontline」 リリース

4 月にリリースされた Google Workspace フロントラインは、現場の従業員と本部チームとのコミュニケーションとコラボレーションを促進することを目的に開発されたツール。
Gmail、 Chat、ドキュメント、ドライブなどのコミュニケーションとコラボレーションに特化したアプリが提供されている点が特徴。
機能が絞られている分、価格は従来のエディションよりリーズナブルなので、現場で働く従業員を抱える企業にマッチしたプランです。
また、高度なエンドポイント管理※などのセキュリティ機能も利用できるなど、個人の端末でも安全に利用できることを目的としています。
※エンドポイント機能は管理者向けの機能です。
【5月】 「Google フォト」 の容量無制限が有料化

多くのユーザーに衝撃を与えた Google フォトの無制限バックアップサービスの終了。
これまで無料アカウントのユーザーも無制限だった 「保存容量の節約画質」 (旧 : 高画質、以下節約画質)設定でのバックアップも、 Gmail や Google ドライブなど Google の他サービスと同様、 Google アカウントの保存容量にカウントされるようになりました。
無料プランの保存容量である 15 GB を超過した場合、 Google フォトへのバックアップができなくなる他、 Gmail や Google ドライブなど、他サービスの利用にも影響が及ぶ可能性があるため、有料のストレージサービス Google One に加入した無料アカウントユーザーも少なくないのではないでしょうか。
【6月】 Workspace を全 Google アカウントユーザーが利用可能に

2021 年 6 月、 Google は企業向けサービス Google Workspace の多くの機能を無料の Google アカウントに提供することを発表しました。
無料アカウントユーザーには期間限定で無料提供された状態であった Meet や、無料アカウントユーザーに提供されていなかった Chat などが利用可能になりました。
企業とのコラボレーションや、家族や友達との集まりを計画するとき、 PTA 活動の活動方針を決定するときなどに、より円滑に Google のアプリケーションを活用できるようになったと感じる無料アカウントユーザーも多いのでは。
【6月】 「Google スプレッドシート」 コメント機能を強化

Google は 6 月の Google スプレッドシートのアップデートでセルに対して付加するコメント機能の強化を実施しました。
まず、コメント履歴一覧がサイドバーとして表示されるようになり、多くのコメントをスクロールせずに閲覧可能に。これまでは画面右上の [コメント履歴を開く] ボタンからのポップアップとして表示されてましたが、表示部が隠れてしまう上、一度に表示できるコメントの量も少ないという課題もありました。
さらに、コメント履歴をフィルタリングすることも可能になったので、自分宛や返信が必要なコメントのみを表示するように絞り込めるため、必要な情報すばやく見つけられるようになりました。
【7月】 Workspace の個人事業主新プラン 「Individual」 ローンチ

2021 年 7 月にローンチした 小規模の個人事業主向けの Google Workspace の新しいサブスクリプション サービス、 Google Workspace Individual 。
既存の Google アカウント(無料の Gmail アカウント)を変更することなく、スマート予約システム、高機能なビデオ会議、リアルタイム サポートなどのサービスが利用できるエディションです。
Google Workspace Individual は 2022 年 1 月に月額 900 円で利用できるプロモーション期間が終了する予定で、そのあとは月額 1,130 円になります。
最初の 2 週間は無料で利用できるので、 Gmail アカウントのまま機能を拡張したい方はまずトライアルで利用してみましょう。
【7月】 「Google ドライブ」 でユーザーからの共有のブロックが可能に

Google ドライブは、 7 月のアップデートでドキュメント、スプレッドシート、スライドで特定のユーザーとのファイル共有を希望しない場合、そのユーザーをブロックできるようになりました。
Google ドライブの共有機能は生産性とコラボレーションを促進する一方で、悪意ある人が共有機能を悪用する可能性も否定できません。
こうした共有にまつわる脅威を回避するために 「必要なセキュリティ対策を講じること」 を目的としてこのブロック機能はリリースされました。
【8月】 「Google スプレッドシート」 に数式のサジェスト機能が追加

2021 年 8 月にリリースされた、自動で最適な関数と計算範囲を提案してくれるスプレッドシートのサジェスト機能。
どのような機能なのか簡単に説明すると、スプレッドシートのセルに 「=」 を入力するとサジェストがポップアップに表示され、 [Tab] キーとカーソルキーの上下で選択するだけで入力が完了。
例えばたとえば、 A1 : A9 に数値が並んでいた場合、 B10 に 「=」 を入力すると 「=SUM(A1:A9)」 や 「=AVERAGE(A1:A9)」 が自動的にサジェストされます。
まだ使ったことがない、という方は作業効率の向上に役立つこの機能を、ぜひご活用ください。
【8月】 「Google カレンダー」 で勤務場所を共有できるように

「ハイブリッドワーク」 とも呼ばれる柔軟な働き方が可能な職場環境では、日によってオフィス以外の場所で業務を行うケースが多いのではないでしょうか。
そういった勤務の状況を Google カレンダーを利用して他のメンバーと共有できる機能が 2021 年 8 月にリリースされました。
この機能によって勤務場所を 「見える化」 することで、他のメンバーとの予定が立てやすくなったと感じているユーザーも多いのではないでしょうか。
【9月】 「Google Meet」 新しい設定パネルの導入

Google Meet は 9 月のアップデートにより新しい設定パネルを導入。
Meet の通話中に背景のぼかしや背景画像の差し替えに加え、スタイルの適用が簡単に行えるようになりました。
また、このパネルは通話前のセルフチェック画面(楽屋機能)でも利用可能。
相手と通話する前に、さまざまなエフェクトを試してその効果を確認できます。
もはやビジネスの必須ツールともいえる Google Meet。プライバシーを守るためにも新しくなったエフェクト機能を使いこなしましょう。
【9月】 「Google Chat」 の 「チャットルーム」 が 「スペース」 に

2021 年 9 月 Google Chat は、 「チャットルーム」 という名称を自動的に 「スペース」 に更新。
この変更により 「スペース」 は、トピック、プロジェクトをまとめる専用の場所として活用できる、いわば 「Google Workspace」 の新しい 「ホーム」 とも言えるツールに進化を遂げました。
Google は近年、 「Gmail」、 「Google チャット」、 「Google Meet」、 「Google ドキュメント」 などの Google Workspace のアプリ連携を強化し、各ツールをシームレスに切り替えられるインターフェイスの開発に取り組んできました。
スペースは今後 Google Workspace のホーム的存在を担うアプリケーションとして期待を寄せらています。
【9月】 「Google カレンダー」 に分析機能を追加

近年の仕事環境の変化に伴い、オンラインミーティングの機会が増えている人にとっては、勤務中の時間配分が難しくなったと感じている方も多いのではないでしょうか。
2021 年 9 月、 Google カレンダーは会議時間の分析を行う機能が新たに搭載。業務時間に費やされる会議が一目瞭然で分かるようになりました。
分析情報をまめにチェックして、働き方のバランスの調整に役立てましょう。
【11月】 「Google ドキュメント」、 「スプレッドシート」、 「スライド」 承認機能正式リリース

Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド上で担当者に承認のリクエストを行える承認機能。
レビュー担当者全員が承認した場合はファイルがロックされ以降は編集ができなくなるなど、この新機能は契約や法的文書、その他正式な承認が必要な状況で承認を得る際のワークフローにも有効です。
承認機能はかつてよりベータ版が提供されていましたが 11 月のアップデートによって対象が拡大され、より多くのユーザーが利用可能になりました。
※承認機能は無料の Google アカウントユーザーは利用できません。
【11月】 「Google Meet」 で 500 人まで参加できる会議を主催できるように

2021 年も数多くのアップデートが発表された Google Workspace。
11 月には最大で 500 人まで参加できるビデオ会議を主催できるようになりました。
500 人までビデオ会議を主催できるようになったのは
- Business Plus
- Enterprise Standard
- Enterprise Plus
3 つのプラン。
世界に拠点を持つような大企業にとって、このアップデートは有効なものとなったのではないでしょうか。
まとめ
2021 年は継続的なテレワークの浸透が求められるようになり、それに呼応する形で Google Workspace も多くのアップデートを重ねてきました。
昨年に引き続き、今年も Google Meet の新機能が頻繁に追加されましたが、同様に Google Chat や Google カレンダーも新しい生活様式を推進する大胆なアップデートが実施された印象があります。
Google Chat や Google カレンダーによってコミュニケーションやスケジュールが可視化することによって、リモートで仕事をしていても滞りなく業務が進められるようになったと感じている方も多いのではないでしょうか。
チームのメンバーと距離は離れていてもチームワークは円滑に。そんな働き方を目指して、日々進化する Google Workspace の機能をどんどん使いこなしていきましょう。
2022 年も Google Workspace がどのようなアップデートを行うのか、ぜひご注目ください。