Google Chat の「チャットルーム」が進化! 業務を一元管理できる 「スペース」 とは?
公開 2021.12.21
更新 2023.01.30

Google が提供するチャットツール Google Chat に 「スペース」 という機能があることをご存知ですか?
複数のメンバーでスムーズな連携が取れるスペースは、チーム内でのコラボレーションに大変便利! さらにほかの Google ツールとの連携もできるので、業務を一元で管理することが可能になります。
チャットルームが進化した 「スペース」 とは

チャットをベースとしたコミュニケーションだけでなく、ファイルやタスクとシームレスに統合されたGoogle Chatの 「スペース」。
「スペース」 は、トピック、プロジェクトをまとめる専用の場所として活用できる、いわば 「Google Workspace」 の新しい 「ホーム」 とも言えるツールに進化を遂げました。
Google は近年、 「Gmail」 、 「Google チャット」 、 「Google Meet」 、 「Google ドキュメント」 などの連携を強化し、各ツールをシームレスに切り替えられるインターフェイスの開発に取り組んでいます。
そうしたコラボレーションの出発点となるのが、今回ご紹介する 「スペース」 です。 「スペース」 はタスクやスケジュール、メッセージのやり取りが一元で管理できるので、忙しいビジネスパーソンの切り札的な存在となりうるツールと言えます。
従来のチャットルームとの違い

スペースは、以前は 「チャットルーム」 という名称でリリースされていました。
2021年9月以降、名称変更に伴い、以下のような機能が実装されました。(2021年12月現在)
- Gmail からのスペース利用
- インラインのトピックや スレッド
- 状態ランプ表示
- 割り当て完了タスク
- 豊かなリアクション表示、絵文字や GIF を使ったカスタムステータス
- スペース全体を検索できるといった改善されたコンテンツ検索機能
- メッセージの固定
- ユーザーロールと管理ツール
グループメッセージとスペースの違い
スペースは DM ベースのグループメッセージとは何が違うのか、確認しておきましょう。
- グループ メッセージ
グループのメンバー同士が、手軽にチャットを行うことができる場所です。 - スペース
プロジェクト チームの継続的なコミュニケーションと共同作業のための中心的な場所です。チャットルームを作成することで、チームのメンバーはファイルの共有、タスクの割り当て、他の様々な Google ツールを用いた連携1 か所で行うことができます。
両者の使い分けについては、詳しくはこちらの表を参考にしてみてください。
グループ メッセージ | スペース | |
---|---|---|
目的 | 複数のユーザー同士でのダイレクト メッセージ | チームまたはプロジェクトでのコラボレーションとコミュニケーション |
チャットできるユーザー | チャットを開始した後に、他のユーザーを追加または削除することは不可 | いつでもユーザーを追加または削除することが可能 |
会話 | スレッド化されないメッセージ | 複数のスレッド化された会話 |
メッセージ履歴 | 組織の設定に応じて、次の状態にすることが可能 無効(メッセージは 24 時間後に削除される) 有効(メッセージは組織のポリシーに基づいて保持される) |
常に有効で、組織のポリシーに基づいて保持される |
チャットルームの名前 | メンバー名のリストが表示される | スペースの作成者が名前を選択する(「新規プロジェクト」など) |
通知 | メンバーにはメッセージごとに通知が届く | 自分が参加している会話についての通知、または名前をリンクされた場合の通知が届く |
メンバー | メンバーは退出不可 サイドバーでチャットを非表示にすることが可能 |
メンバーは退出、再参加ともに可能 |
同じユーザーによる複数のチャットスペース | 同じグループで複数のグループ メッセージを作成することは不可 | 同じグループで複数のスペースを開くことが可能 |
タスクの作成と割り当て | 不可 | タスクを作成して、他のチャットルーム メンバーに割り当てることが可能 |
ファイルの共有 | ファイルの共有は可能 共有ファイルのリストを表示することは不可 |
チャットルームで共有しているファイルのリストを表示できる |
社外ユーザーとの会話 | 不可 | 可能 |
メンバー全員をカレンダーに招待 | 不可 | 可能 |
「スペース」 を使ってみよう 基本的な使い方
それではスペースの基本的な使い方について説明していみます。
Google Chat の基本的な使い方についてはこちらをご参照ください。
「スペース」 の作成方法
スペースの作成方法を説明します。
- Google Chat を開きます。
- [スペース] の横にある作成アイコン “” + “” をクリックします。
- 「スペースの作成」 をクリックして、ポップアップが表示されたらスペース名と説明(省略可)を入力します。
- 追加するユーザーのメールアドレスを入力するか、候補から選択します。
候補には、組織内の全ユーザーが含まれています。
すでに Google グループを作成してる場合、そのグループを入力すればそのグループのメンバー全員をスペースに追加することが可能です。 - スペースのアクセス制限ありなしを選択します。
「アクセス制限あり」 とすると、追加されたユーザーのみスペースに参加できます。組織の名称を選択すると、その組織のメンバー全員が検索、表示、参加可能になります。(省略可) 組織外のユーザーがチャットルームに参加できるようにするには、 [組織外のユーザーの参加を許可する] チェックボックスをオンにします。後でこの設定を変更することはできません。
- インライン スレッド形式のスレッドを利用したい場合は「会話をトピック別に整理する」にチェックを入れないようにしてください。
会話トピック別メッセージ形式を利用したい場合はチェックを入れてください。
インラインスレッド形式と、会話トピック別メッセージの違いについてはこちら(新たに公開いただくインラインスレッドの記事に遷移させていただきたいです)
- [作成] をクリックします。
チャットルームのアバターを追加したい場合は、スペース名の横にある絵文字を選択アイコン “” + “” をクリックして絵文字を選択します。
絵文字を選択しない場合は、デフォルトのアバターが代わりに使用されます。
ユーザーにメンションをつけてメッセージを送る
スペースでメッセージを送ると、メンバーの全員がそのメッセージを読むことができます。
メンバーの中でも、特定のメンバーに必ず読んでほしい場合には、メッセージに 「メンション」 を付けることが効果的です。メンションを付けることで、誰宛てのメッセージかということを、明確にすることができます。
メンションを付けるには、メッセージ入力欄に 「@」 を入力します。候補が表示されるため、相手を選択し、クリックします。

「会話トピック」 や 「インラインスレッド」 を活用する
スペースには、インライン スレッド形式と、会話トピック別メッセージ形式の2種類があります。デフォルトでは、新しく作成するスペースはインライン スレッド形式になります。
下記の画像のようにインライン スレッドを使用して1つのメッセージに返信すると、メッセージが別の会話に分岐します。インライン スレッドは、特定のメッセージに返信したい場合や、会話参加者以外には通知が飛ばないようにしたい場合に便利です。
会話トピック別メッセージ形式のスペースでは、メッセージと返信がグループ化され、全員に表示されます。前のトピックに返信すると、トピック全体が下部に移動します。
インラインスレッド形式または会話トピック別メッセージ形式はスペースを作成する際に選択します。一度スペースを作成したら途中で変更することはできません。

インライン スレッド形式と、会話トピック別メッセージ形式の詳しい違いはこちらの表をご参照ください。
スペースの形式 | メリット・特徴 | デメリット・制限事項 |
---|---|---|
【新機能】インライン スレッド形式 ※スペースのデフォルトの種別 |
|
|
【従来型】会話トピック別メッセージ形式 |
|
|
メッセージを編集する
メッセージを送信後でも、メッセージを編集することが可能です。
注:この機能は有料の Google Workspace ユーザーのみ利用できます。
無料の Google アカウントユーザーはメッセージの編集を行うことはできません。
- 送信したメッセージにマウスオンをしたら表示される鉛筆マークをクリックします。
- テキストを編集したら、 「更新」 をクリックします。
※メッセージを削除したい場合は、メッセージをマウスオンをしたら表示されるゴミ箱マークをクリックしてください。
スペースにメンバーを追加する
例えば、プロジェクトに新しいメンバーが加わった際には、そのスペースに新しいユーザー追加することが可能です。
新しく追加されたユーザーは過去のやり取りを閲覧することも可能です。
※注 この機能は有料の Google Workspace ユーザーが作成したスペースの場合、無料アカウントのユーザーや、外部ドメインのユーザーはメンバーを追加することはできません。
- メンバーを追加したいスペースを開き、スペース名の横のプルダウンをクリックします。
- 「ユーザーと bot を追加」 を選択します。
- 候補のユーザーを選択するか、メールアドレスを入力したら、 「送信」 をクリック。
招待されたユーザーにはメールが届きます。
同じ組織のユーザーの場合は自動的にスペースに追加されます。
ユーザーをスペースから削除する
参加させたくないユーザーや、退職したユーザーなどがスペースにいる場合ユーザーをすることが可能です。
※注 この機能は有料の Google workspace ユーザーが作成したスペースの場合、組織外のユーザーは利用できません。また、無料アカウントのユーザーが作成した場合、作成者以外はこの機能を利用できません。
- メンバーを追加したいスペースを開き、スペース名の横のプルダウンをクリックします。
- 「メンバーを表示」 を選択します。
- ブロックしたいユーザーにマウスオンして三点リーダー (︙) をクリック → 「スペースから削除」 を選択します。
ブラウジング機能を利用してスペースに参加する
すでに招待されていたり、組織が作成していて参加可能なスペースを探すときは、 「ブラウジング」 機能を使用します。
- 「スペース」 の横の + アイコンをクリック。
- 「スペースをブラウジング」 をクリックします。
- 参加したいスペースの + をクリックします。
【応用編】 「スペース」 を他のツールと連携する
スペースの基本的な使い方を説明しましたが、さらに発展して他のツールと連携する活用法を紹介します。
他のツールとの連携方法をマスターすれば、Google Chat を中心とした業務の効率的なワークフローが実現します。
ぜひ、スペースのメンバーと連携機能を活用してみてくださいね。
タスクの割り当て
スペースは、Todo リストというタスク管理ツールと連携してメンバーにタスクを割り当てることが可能です。
部署やプロジェクトメンバーの中でタスクを明確に割り振ることで、スムーズな進捗管理が可能になります。
Todo リストについて詳しくはこちら
- Google Chat で作成したスペースを開く
- スペースを開いたら、 「タスク」 タブを選択します。
- 「タスクを追加」 をクリックして、割り当てたいタスクを作成します。
- 期限と、割り当てたいメンバーを設定し、 「追加」 をクリックします。
タスクを割り当てられたユーザーのタスクタブに、割り当てられたタスクが表示されます。
また、そのユーザーの Todo リストにもタスクが表示されます。※Todo リストは各 Google ツールの右メニューがら表示することができます。
Google カレンダーと連携して予定のセッティング
スペースに参加しているメンバーとミーティングを開催したいときは、わざわざ Google カレンダーからメンバーを招待する必要はありません。
スペースには簡単にメンバー全員をミーティングに招待する機能があります。
- スペースのメッセージ枠左側の “” + “” をクリックして、 [カレンダーの招待状] をクリック。
- 右側の画面にカレンダーが表示されるので、任意の予定をセッティングします。
スペースに参加しているメンバー以外を招待する場合は 「ゲストを追加」 からユーザーのメールアドレスを入力します。
カレンダーの設定が完了したら 「保存して共有」 クリックします。
メッセージをメールに転送
チャットで受信した画像などのファイルをメールで転送したいとき、一度ファイルをダウンロードして、メールを作成して、さらに添付するという作業を手間に感じたことはありませんか?
スペースには、チャットで受信したメッセージやファイルを自分のメールにダイレクトに送信することが可能です。
他のユーザーにメールでメッセージやファイルを送りたい場合は、そこから転送すると便利です。
- メールに転送したいメッセージやファイルにマウスオンして、メールアイコンをクリック。
自分の受信トレイに送信したメッセージやファイルが送られました。
「スペース」 は Gmail からも使用可能
Gmail の画面からもシームレスにスペースにメッセージを送ることが可能です。
社内のメンバーはチャット、社外の取引先にはメールとハイブリッドにコミュニケーションツールを使い分けている方にはぜひこの機能を活用してみましょう。
- Gmail からメッセージを送りたいスペースの名前をクリックします。
- スペースの画面が表示されました。Gmail に戻りたい場合は、スペース名左側の矢印をクリックします。
まとめ
日々忙しく業務をこなすビジネスパーソンは、タスクを効率よく、さらに高い精度で処理するかが重要になります。
Google Chat のスペースを使いこなせば、チームのメンバーと円滑にコミュニケーションを取るだけでなく、他のツールとシームレスに連携しながらマルチにタスクをこなすことが可能になります。
アップデートして機能充実したスペースをぜひフル活用してみてくださいね。