Google Workspace
公開 2023.07.07

現場従業員向けの 「Google Workspace Frontline」 とは?

現場の従業員と本部チームが円滑にコラボレーションを行えるようにデザインされた Google Workspace Frontline。

従来の Google Workspace は、主にデスクワーク向けのツールでしたが、Frontline エディションはオフィスを離れて現場で働く人に最適化したツールとしてローンチしました。
デスクワーカー向けの Google Workspace と何が違うのか、どのような機能が搭載されているのか、この記事で詳しく紹介します。

Google Workspace Frontline(フロントライン)とは

まず、Google Workspace Frontline の概要についてご紹介します。

Google Workspace Frontline の特徴

Google Workspace Frontlineは、現場の従業員と本部チームとのコミュニケーションとコラボレーションを促進することを目的に開発されたツールです。

Gmail、 Chat、ドキュメント、ドライブなどのコミュニケーションとコラボレーションに特化したアプリが提供されている点が特徴です。機能が絞られている分、価格は従来のエディションよりリーズナブルなので、現場で働く従業員を抱える企業にマッチしたプランと言えます。

【利用可能なツール】
  • Gmail
  • Google Meet(最大100人まで利用可能)
  • Google カレンダー
  • Google ドライブ(共有ドライブは閲覧のみ可能)
  • Google Workspace(ストレージ-1ユーザーあたり5GBのストレージが利用可能)
  • Google Chat
  • Google サイト

また、高度なエンドポイント管理などのセキュリティ機能も利用できるので、個人の端末でも安全に利用することができます。

【利用可能なセキュリティ機能】

※エンドポイント機能は管理者向けの機能です。

  • 高度なエンドポイント管理
    組織のデータをより細かく管理。より安全なパスワードを必須にできるほか、デバイスのリモートワイプ、 Android での仕事用プロファイルの使用、iOS アプリの管理なども行えます。
  • ドライブのログイベントデータ
    Google ドキュメント、スプレッドシート 、スライド、フォーム、サイトでのユーザー アクティビティを確認できる。
  • データ保護に関する分析情報レポート
    機密データが含まれる組織内のドライブ ファイルに関する情報を確認できます。

なお、Google Workspace Frontline は利用できるユーザー数に制限はありません。

Google Workspace Frontline 2つのエディション

Google Workspace Frontline には、Frontline Starter と、Frontline Standard の2つのエディションがあります。

Frontline Standard エディションには、上記の Frontline Starter の全機能に加え、以下に示すセキュリティおよび管理機能が含まれています。

エンタープライズ エンドポイント管理 会社所有デバイスを管理するための管理機能です。
iOS データ保護、モバイル デバイスの証明書、コンテキストアウェア アクセスなどのセキュリティ設定。
デバイス管理(モバイル デバイスと iOS デバイスの会社所有インベントリ、管理ルール、BeyondCorp パートナーとの統合など)
限定公開の iOS アプリ管理
デバイスのログイベント データや、使われていない会社所有デバイスのレポートなどの、デバイスの詳細データ。
データ損失防止(DLP) ルールを作成して適用することで、ユーザーが組織外の相手と共有できるファイルのコンテンツを管理できます。
コンテキストアウェアアクセス ユーザー ID、デバイスのセキュリティ対策、IP アドレス、位置情報などの属性に基づいて、Google Workspace および SAML アプリケーションに対する詳細なアクセス制御ポリシーを作成できます。詳細
Google Vault 電子情報開示とデータ保持の次世代型ソリューションです。
Cloud Identity Premium 企業向けセキュリティ、アプリケーション管理、自動デバイス管理を行います。
Google Voice アドオン サブスクリプションとして利用できます。
高性能で使いやすいクラウド プライベート電話ネットワークで、ユーザーは電話番号、自動応答、着信グループを利用できます。

Google Workspace Frontline の注意点

Google Workspace Frontline はあくまでも現場の従業員のコミュニケーションやコラボレーションを目的として開発されたサービスなので、 Google ドライブの容量は5GB~と少なめです。ただし、 Google ドライブ上で個人ではなくチームが所有できる 「共有ドライブ」 の閲覧が可能です。

また、現在 Google Workspace に登録しているアカウントを Frontline エディションにダウングレードすることは不可となります。

Google Workspace Frontline の想定ユーザー

Google Workspace Frontline は現場で働く従業員向けのエディションですが、下記のようなユーザーが想定されます。

【Google Workspace Frontline にマッチする働き方】
  • 非デスクワーカー
  • 現場間の移動が多い
  • スマホなどのモバイル端末を利用して業務を行うことが多い
  • 大量のデータを扱う機会が少ない
  • パソコンは他の従業員と共有している
【Google Workspace Frontline にマッチする業種・職種】
  • 製造業
  • 運送業
  • 農業、漁業、林業従事者
  • 建設作業員
  • 医療従事者
  • レストラン、ホテル、小売業などの接客業
  • 電話オペレーター

など

1つのドメインで別のエディションとの併用も可能

従来、Google Workspace では、1つのドメインで単一のプランしか選択することができませんでした。
しかし、 Frontline エディションは、1つのドメインで従来のデスクワーカー向けの Google Workspace のプランとの併用も可能です。
例えば、デスクワーカーは Business Starter、現場スタッフは Frontline というように、ユーザーによってエディションを使い分けることもできます。

ただし、Frontlineを導入する際は以下の定義に明確に限定されます。
また、 Google の審査もあります。

検討の際には、弊社までご相談ください。
※rakumo お問合せ「導入のご相談」フォームへ遷移します

Google Workspace Frontline の利用料金

Google Workspace Frontline は、通常、従来の Google Workspace より低価格で提供されています。
アカウント数により変動するため、費用については別途お問合せください。

お問い合わせ先
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Google Workspace Frontline の申し込み方法

Google Workspace Frontline は、インターネットからのお申し込みはできません。
Google または販売代理店までお問い合わせください。

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Google Workspace Frontline で利用できるサービス

次に、Google Workspace Frontline で利用できるサービスを紹介します。

Google Workspace Frontline で利用できるアプリケーション

Google Workspace Frontline は、下記のアプリケーションの利用が可能です。

アプリケーション 詳細
Gmail 独自ドメインを使用したビジネス用アドレスでメールを送受信できます。
Google Meet ノートパソコンやスマホなどの端末から安全にビデオ会議に参加できます(100人まで参加可能)。
Google カレンダー カレンダーを共有して会議や予定のスケジュールを簡単に設定できます。
ビジネスドキュメント オンラインで利用可能なドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションをリアルタイムで共同編集できます。
Google フォーム アンケートやテストなどが簡単に作成できます。
Google ドライブ 1ユーザーあたり 5GB のストレージを利用して、ファイルをクラウドに安全に保存、バックアップできます。
Google Chat テキストとリッチメディアを使ってグループまたは1対1でコミュニケーションできます。
Google サイト 専門的な知識がなくても、手軽にウェブサイトを作成できます。

Google Workspace Frontline のセキュリティ

Google Workspace Frontline には、次のような高度なセキュリティ機能も含まれています。

※この機能が利用できるのは管理者に限られます

◆高度なエンドポイント管理

あらゆるデバイスのデータを保護するセキュリティツール。管理者が Google エンドポイント管理を使用すると、ユーザーのモバイル デバイス、デスクトップパソコン、ノートパソコン、その他のエンドポイント全体で組織のデータのセキュリティを強化できます。スマートフォンの紛失やタブレットの盗難といった際には画面ロックや安全なパスワード設定を必須にしたり、デバイスまたは特定アカウントのワイプで Android や iOS 上の機密データを消去することが可能です。

◆ドライブの監査ログ

管理者はユーザーの Google ドキュメント、スプレッドシート 、スライド、フォーム、サイトでのユーザーのアクティビティを確認することが可能です。

◆データ保護に関する分析レポート

管理者は組織内の機密データを含むドライブ ファイルに関するレポートを確認できます。

Google Workspace Frontline と従来のエディションとの違い

Google Workspace Frontline と、従来のエディションとの違いについて、表にまとめました。

Google Workspace フロントライン 従来の Google Workspace のエディション
料金 アカウント数により変動別途お問合せください Business Starter 680円/月
Business Standard 1,360 円/月
Business Plus 2,040円/月
1ユーザーあたりのストレージの容量 5GB Basic Starter プラン 30GB
Business Standard 2TB
Business Plusで 5TB
独自ドメイン 利用可能 利用可能
同一ドメインで別のエディションを併用 可能
※Basic Starter プラン、Business Standard、Business Plus Enterprises と併用可能
不可
利用可能人数 無制限 Business Starter 300人未満
Business Standard 無制限
Business Plus 無制限
共有ドライブの利用 閲覧のみ可 Business Starter 利用不可
Business Standard 利用可能
Business Plus 利用可能

まとめ

現場で働く従業員の働き方にマッチした Google Workspace Frontline。
Google ドライブの容量は少なめですが、低価格で利用できるところは大きな魅力といえます。
現場社員とオフィスの社員間のコミュニケーション円滑に行いたい、とお考えの企業はぜひ導入を検討してみてくださいね。

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