手軽にファイルを共有できて共同編集ができるGoogleのツールですが、組織のメンバーのGoogle Workspaceのアカウントが削除されたらどんなことが起こると思いますか? Google Workspaceのアカウント削除とともに、大事なファイルもなくなってしまった! ということがないよう、Google Workspaceの管理者や利用メンバーはトラブルに備えておく必要があります。
チームでファイルの共有や、共同編集ができるGoogleドライブ。導入している企業にとっては、もはやビジネスに欠かせないツールなのではないでしょうか。 とても便利なGoogleドライブですが、組織メンバーのGoogle Workspaceアカウントが削除されたらどんなことが起こるか、しっかりと理解を深めておきましょう。
おそろしいことに、Google Workspaceのアカウントが無くなると、そのユーザーのが作成したデータはほぼすべて削除されてしまうのです。 具体的に、Google Workspaceのアカウントを削除すると、おもに以下のデータが削除されます。
※一部のデータ(ユーザーが作成したグループなど)は削除されません
大切なファイルやフォルダが削除される前に、あらかじめ対策を立てておくことが大切です。
こちらの記事では、前半は退職するユーザーができる対策、後半は管理者ができる対策に分けてご紹介します。
ここでは、日常的に利用される頻度が高い
上記サービスの譲渡の方法を紹介していきます。
退職するユーザーがデータのオーナー権限を実施する場合は、下記の手順で行うことができます。
この方法は、主に Google ドキュメント ⁄ Google スプレッドシート ⁄ Google スライド ⁄ Google フォーム ⁄ Google サイトに有効です。
オーナー権限が変更されました。
ヒント:
前半では退職する一般ユーザーができる対策について書いていきましたが、後半では管理者が行うデータの移行方法について紹介します。
この作業は、Google Workspaceを管理の管理コンソールで特定のサービス設定ができるサービス管理者と、組織のアカウントのあらゆる側面を管理できる特権管理者が行うことができます。 管理者ロールについて、くわしくはこちらをご参照ください。
サービス管理者は、組織内のユーザーが作成した Google ドライブのファイルやフォルダの共有方法を設定できます。
設定の対象となるのは、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォルダなどのドライブに保存されているGoogleのコンテンツです。
ここでは、サービス管理者が退職するユーザーのマイドライブにある全てのファイルのオーナー権限を譲渡する方法を紹介します。
【サービス 管理者が該当するユーザーのすべてのGoogleドライブファイルのオーナー権限を譲渡する方法】
ファイルが新しいオーナーのドライブに自動的に追加されます。そのファイルを含むフォルダの名前には、以前のオーナーのメールアドレスが付いています。
この方法を使えば、一発でデータのオーナー権限を譲渡することが可能です。
このタスクを実行するには、特権管理者としてログインする必要があります。
【特権管理者とは】
管理コンソールと管理 API のすべての機能へのアクセス権があり、組織のアカウントのあらゆる側面を管理することができるユーザーを指します。 また、すべてのユーザーのカレンダーと予定の詳細に対しても完全なアクセス権があります。
ここでは、特権管理者がデータ移行サービスを利用して退職者のGmailをほかのユーザへ移行する方法について書いていきます。
ユーザーのアカウントを削除するタイミングで、データを移行することも可能です。 この作業は、ユーザーの管理ができるユーザー管理者と、組織のアカウントのあらゆる側面を管理できる特権管理者が行うことができます。 管理者ロールについて、くわしくはこちらをご参照ください。
このやり方はGoogle ドライブのファイルだけでなくGmailやGoogle カレンダーも他のユーザーに権限譲渡ができます。
以下の通り、ユーザーを削除する手順を踏みます。
※ここは削除するユーザーがいままで受信したメールを別のユーザーに転送する設定を行えます。ユーザーを削除した後に受信したメールを別のユーザーに転送する場合は、[受信メールの転送を設定する]から設定が可能です。
万が一、Google Workspaceのアカウントを削除した後にデータが消えてしまったことに気づいてしまった!というアクシデントがあってもご安心ください。
特権管理者ならアカウントが削除されてから20日後までならアカウントを復活させてデータを復元することが可能です。
20 日間を経過するとデータは完全に削除され、Google Workspace サポートでも復元できなくなります。
注: この変更が反映されるまでに、最長で 24 時間ほどかかる場合があります。
これで削除されてしまったファイルを復元することが可能になります。
復元がされたらデータのバックアップや、権限の譲渡を速やかに行うようにしましょう。
重要:共有ドライブは、 Google WorkspaceのBusiness Plus、Enterprise、Enterprise Essentials(ドメインの所有権を証明済みの場合のみ)、Education Fundamentals および Plus の各エディションで利用が可能です。
Google Valutとは、会社にとって重要な情報を保持し、それを閲覧・検索可能な状態にするサービス。
所属組織のデータのアーカイブや電子情報開示のニーズに対応できます。
退職者のデータを引き続き Google Vault で保持する場合、Google Workspace管理者はそのユーザーのアカウントを削除ではなく停止にする必要があります。
停止したアカウントのメールデータは保持されますが、アカウント宛のメールは受信できなくなります。ただし、停止アカウントはアクティブなアカウントと同じく料金がかかります
Google Workspaceのアカウント削除に伴うデータ移行の方法を紹介してきましたが、そのほかに普段から共有ドライブを運用しておくという方法もあります。
重要: 共有ドライブはBusiness Standard および Plus、Enterprise、Education Fundamentals、Standard、Teaching and Learning Upgrade、Plus、Nonprofits、Essentialsで利用が可能です。
共有ドライブは、チームで共有するファイルを保存するためのスペースです。
ここにファイルを保存しておけば、チームのメンバーはいつでもどこでもファイルの保存や検索、ファイルへのアクセスを簡単に行えます。
共有ドライブ内のファイルは、個人ではなくチームに属します。メンバーがいなくなってもファイルはそのまま残るため、チームで引き続きそのファイルを使用して作業することが可能です。
共有ドライブを作成したら、参加するメンバーを招待しましょう。
共有ドライブ内に作ったファイルはすべて共有ドライブがオーナーとなります。
このように共有ドライブを作成して運用すれば、ファイル作成者のGoogleアカウントを削除してもファイルが消えないのが特徴です。
もし退職などで共有ドライブのメンバー全員のアカウントが削除されたした場合は、データ自体はクラウド上に残りますがどのユーザーからもアクセスできない状態となります。
全てのアカウントを削除する前に、別のユーザーに管理権限などを共有するようにしましょう。
組織のメンバーの退職は常に起こりえることです。
退職に伴ってGoogle Workspaceのアカウントが削除されたらどんなことが起こるのか、まずは社内でリテラシーを周知することが重要です。
その上で、データの損失といった深刻なトラブルが起こる前に、しっかりと対策をたてておきましょう!
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